「新平等社会」山田昌弘・著

山田昌弘氏の本は好きです。
毎回、いろんなことを思いつつも読んでしまう。
新刊で出た「新平等社会~『希望格差』を超えて~」
早速読みました。
格差社会は小泉政権の
「改革」による結果だと言われがちですが、
山田氏によるとその原因は小泉政治にはなく、
世界全体で起きている
「ニューエコノミー化」の流れによるものであって
不可避なもの、だそうです。
それが正しいかどうかはさておき、
今回はいろいろと
「ミもフタもない議論」が書かれていて
(特に『男性』のライフコースに関して)、
最近「少子化」に興味を持っておられる
コイッチさんも読まれるとヒジョーに
面白いのではないでしょうか。
今度持っていきます。

マスコミでも行政でもなかなか出てこない
「男性の各層と少子化とのかかわり」
「未婚化は男性収入の不安定化から来ている」
「実は日本女性のかなりの層が
 『専業主婦志向』である(男性が
 生活費を稼ぐべきと思っている)」
などの話がそこには書かれています。
でもそれ、政府系の集まりとかで山田氏が言うと
周囲から「そんなこと言ってはいけません」って
とめられてしまうんだそうです。ふーん。

それにしてもフェミニズム反フェミニズム、
双方が論点としていた「女性の社会進出」なーんてもんは
少子化とはほとんどカンケーないらしい、
ということがわかって、面白いなーと思いました。

前回の「希望格差社会」では
現状をいろいろと指摘はしているものの
「じゃ、どーすりゃいいわけ?」というのが少なくて、
そこがちょっとなあ、という感じだったんですが、
今回は前回よりも硬い内容ながらも
「処方箋」的なものを山田氏なりに
必死で考えて述べている感じがします。

それにしても、こういう処方箋、
方向性は多分間違っていないと思うし、
社会全体の治安維持とか
幸福感のベースアップを考えると
すぐにでも取り掛かるべきじゃないかって
思うんですけど。
少子化がどうとかじゃなくて。
それとも、もう間に合わないのかなー。

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新平等社会―「希望格差」を超えて

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この記事へのコメント

辰馬
2006年10月20日 17:32
読もうと思い買っていた文芸春秋10月号、早速読みます。積読しとりました。
2006年10月20日 19:14
前々から山田昌弘ファンなんです。スルドい、面白い研究者だなあって思っております。言ってることも、各世代からみてそう的外れじゃないんじゃないかなと思うんですが、さて辰馬さんはどう思われるでしょうか…
2006年10月20日 21:08
まだ読んでいませんけど、フェミニストも反フェミニストも薄っぺらいんですよ。もっと深いところにあるホンネがすくえていない。だからインテリのオモチャ以上にならない。遙洋子は上野千鶴子のゼミで勉強してから面白くなくなってしまったし・・(苦笑)

フェミニズムとフェミニストを伝統的価値感から罵倒するヘタレ右翼もアホ。個人<家族<社会<国家という幻想を振り回しているだけだしね。小林某のマンガみたいなもんです。主観的感情的に高揚するだけで、なんの客観的問題も解決できない。

あ、本筋から逸れてますね。失礼!
辰馬
2006年10月20日 21:23
なかなかハードな論議です。で、例え、山田教授のお説のとおりであったとしても、格差社会はどこにも行かない、問題としてあるに変わらない、ということが大事なんです。橋本治の「乱世を生きる、市場原理は嘘かもしれない」もはじめは調子が良いのですが、途中から論点を変えている、逃げているのです。誰か逃げない論客はおらんか!
辰馬
2006年10月20日 21:28
基本的に「失われた10年」があって、その十年から日本経済はなんとか這い上がってきた。その這い上がり度はその業界の環境によって、熾烈さ加減がだいぶ異なる。我が業界はだいぶのほほんとしていられたから、実感として鈍感なところがありはしないか、という疑念これあり。
辰馬
2006年10月20日 21:37
今、k坂のお好み屋で夕食を食べていたら、両親と一緒の2年くらいの小学男児が「いじめる、いじめられる」の話を「明るく」していた。ここまで来たのだ、という実感あり。恐らく、現実の格差と「いじめ」は遂に表裏一体化したのではないか。今の教育委員会制度では対応は困難で、マスコミも面白がって学校、先生をいじめてももう何の意味もないと思わないか?
辰馬
2006年10月20日 21:48
アジアンインプル-ブさんへ。ずいぶん、厭世的ですが、この世のことはこの世で済ませるしかないのが、世の習い。ないものねだりをしても,詮ないのでは。団塊自民を飛び越してデビューした安倍自民はさておき、偽メール、不倫写真で大事を逃す民主をどう思います?
2006年10月21日 00:17
厭世的?ないものねだり?はて?どの部分が厭世的なのかわかりません。僕は「この世」のことを書いているつもりですが。(^^;)

民主党も自民党も根は一緒やと思います。
偽メールはこの「偽社会」にふさわしい茶番でした。
ゴシップには興味ありません。
週刊文春に書いてあったように、小泉も阿倍も「子どもっぽい」ですね。子どもっぽい人がリーダーになっちゃいけない。なのに、小泉の支持率は落ちず、小泉が推薦した阿倍がたいした議論もなしになし崩し的に首相になってしまった。
いつか大きな悔いになると思います。

どこが「厭世的」なのか教えて下さい。
2006年10月21日 02:07
さっきべつのエントリーにトラックバック送ってしまったコイッチです。

まだ読んでません。読んでみます。

「男性の各層と少子化とのかかわり」
「未婚化は男性収入の不安定化から来ている」
「実は日本女性のかなりの層が
 『専業主婦志向』である(男性が
 生活費を稼ぐべきと思っている)」

このあたりは実感としてふむふむと思います。
ただ戦前などの『専業主婦志向』ではないのでしょうね。
『なーんにもせん業主婦』が理想なんじゃないのかなあ。
女性ばかりを責めるのではなく、
男性もあわよくば『創業者利益で若隠居して趣味に暮らす』なんてのに近いのが
本音では理想だったりするんじゃないのかなあ。
世間じゃそんなに上手くいかないんだけど。
辰馬
2006年10月21日 14:19
厭世的、ないのもねだり、と書いたかなりアバウトな理由は、現実の政治権力から遠く離れていようとも、北朝鮮とか、核問題とか、格差問題の中に我々は「存在している」ということがあって、誰かの或いはどこかの勢力の考え方を支持する、あるいは支持しないという判断が行われずにいると危険かつむなしいのでは。どこかにややこしい論議の行方を決定つけるターニングポイントがあってそこにできるだけ多くの人が立ち会うべき、そこに案内していくのがマスコミに一つの仕事だと、思います。
辰馬
2006年10月21日 14:25
その危険領域で、大事なのは、ディテールな論議。憲法も、防衛論も、靖国も、格差もなにげなく「反対!」が通りそうな風潮ではありますが、実は「現実はディテールの中」にあるのでは。小林という漫画家、上野教授、はるかさん、それぞれの主張に特徴があり、みんな、つまらないとなるとそれじゃ、お前なんか目新しいこと言っみい、ということになります。
KISHIKO
2006年10月21日 21:47
持てる者、持たざるものとの両極で分けたとしても、今の日本人は、自分を取り巻く社会に対する認識が、とても自己中な気がするのですね。
裕福な老人の方々が、与えられたり獲得した富を、社会に還元するという思想があまり感じられないのです。生活保護を受けて、困窮している老人がいて、方や、ひとり250万円以上する世界一周の豪華クルーズ旅行が飛ぶように売れている現実…別に自分のお金だから、何をどうしようと勝手だわ!と言ってしまえばそれまでなのですけど、それだけのお金、もっと世の中に還元するという発想はないのかしら…と思ったりします。
社会というものをどう捉えるかという時、自分と、他者という感覚がなんだか希薄で、社会の中で、自分は1つの要素という考えではなく、あくまで自分だけが主役というか…受けるばかりで、与える事をしない…ということが多いのではないでしょうか。
女性の社会進出についても、お子様はその間、保育園に!ということですけど、仕事の二の次にされる弱い子どもの視点という事に着目せずに、ただ保育園増やせばよいう考えに疑問を感じます。
KISHIKO
2006年10月21日 22:06
持てる者持たざるものの両極を考えるとき、今の日本に流れているスピリットは、単なる自己チューなのかなと思うのです。
たとえば、生活保護を受け困窮の中にある老夫婦があるかと思えば、方や一人250万以上する世界一周豪華クルーズが飛ぶように売れている現実… そのお金を恵まれない人に還元すればよっぽどいいのに…と単純に思うのです。
社会というのをどう認識するか…というのを、自分が社会の1要素で、構成員であるという意識が育っていないため、富を循環させる… 助け合う…というのがなんだか希薄のような気がします。
稚拙かもしれませんが、格差はあって当たり前と思うのですね。一人一人異なって当たり前なのですから。
ただ、自分が得た富(金銭、時間、才能)は、自分ひとりの力で得られたものでは無いので、社会に還元するすることで、相互に補い合う社会になれればと思うのですけどね。
KISHIKO
2006年10月21日 22:08
ごめんなさい、
同じ様なのを重複して送ってしまいました。
辰馬
2006年10月21日 23:11
なんか同感というか、賛成という感じがします。これからリタイアする世代が、どれだけやれる、やるかにかかることではないか、と。
2006年10月23日 17:23
辰馬 殿
<つまらないとなるとそれじゃ、お前なんか目新しいこと言っみい、ということになります。>
私は「目新しいこと」が言えるほどの見識を持つ者でもないです。ただ、オカシイと感じたことはオカシイと書いていきたい。それだけです。目新しいことが聞けるかも、と期待してくださった辰馬さんには、感謝しますと同時に、お応えできないことを申し訳なく思います。「厭世的」というのは「世の中を嫌なものと思うこと」と広辞苑にありましたが、私はそうではありません。嫌なことが多いけど、楽しいこともありますし。「目新しいこと」を書いているか否かは自分ではわかりかねますが、ブログをやっていますので、そこでの私の文章を読んでいただければと思います。シーラさんのブログではあくまで「コメントをつける側」ですが、自分のブログでは「話題を提供する側」ですので、シーラさんのブログでは見られない私の別の面(そんなええもんか!(笑))があるかもしれません。なお、私はマスコミとは関係もない仕事(敢えて分類すれば「製造業」)をしておりますので、誤解のないようにお願いします。
辰馬
2006年10月23日 21:06
ご丁重なるお返事、ありがとうございます。どうしても筆いや、指がすべる癖があり、心象を害されたのでは、と存じます。職業についてのご感想は、当方にいたらぬ点があると、謙虚に考えたいと思います。
辰馬
2006年11月02日 20:24
ようやく3分1ほど読みましたが、かなリアルな論が展開されています。確かに小泉政治のせいではないようですが、深刻な事態であることを主張されているようです。しっかり読了します。

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